ヒラギノフォントのあゆみ

「クールで現代的なデザイン」が築く、永遠のスタンダード。ヒラギノフォント、進化の軌跡。

「ほかのどこにもないクールで現代的なデザイン」というコンセプトのもと、ヒラギノフォントは1993年に誕生しました。活版や写植の時代を経て、伝統と歴史ある書体が多数存在する中、ヒラギノフォントはライフスタイルやニーズの変化とともに進化を続け、百年後も色褪せず使い継がれるフォントを追求しています。今では広告・出版からスマートフォン、高速道路標識、医療機器まで、様々なシーンで幅広く利用されています。

開発のきっかけとコンセプト

SCREENホールディングス(旧・大日本スクリーン製造)がヒラギノフォントの書体開発に着手したのは1990年です。当時開発していた組版システムに搭載するため、フォントの自社開発に踏み切りました。写真製版用機器メーカーとして画像印刷に強みを持っていたSCREENは、ビジュアル雑誌をターゲットに、グラフィックと調和しながらもくっきりと読める書体が必要だと考えました。既存の書体と類似しない「クールでスマート」「明るくくせのないベーシック書体」をコンセプトに、徹底的な市場調査を経てデザイン仕様が決定され、1993年に明朝体、1994年に角ゴシック体が完成しました。

Macへの採用、ヒラギノが世界へ広がる

開発開始から10年が経った2000年、AppleがmacOS(当時のMac OS X)のシステムフォントとしてヒラギノフォントを採用しました。これにより「Hiragino」の名は世界に知られることとなり、以降20年以上にわたり、Apple製品の日本語表示にヒラギノフォントが使われ続けています。Macユーザーでなくとも、iPhoneやiPad、あるいは印刷物を通じて、私たちは日々ヒラギノフォントに触れています。この採用は、ヒラギノフォントの高い評価と普遍的なデザイン性を象徴する出来事となりました。

UD書体/中国語書体など新たなニーズへの対応

2010年代に入ると、ヒラギノフォントはさらに活躍の場を広げました。2010年には、NEXCO東日本・中日本・西日本が設置する高速道路の案内標識にヒラギノ角ゴシック体W5が和文書体として採用されました。また、長文での読みやすさを追求した独自のユニバーサルデザイン(UD)対応書体 や、和文とのデザイン統一と中国政府認証基準を両立させた簡体字フォントが登場。ヒラギノ角ゴ 簡体中文は、2014年に国産フォントとして初めて中国政府認証を取得しています。

百年後も使われ続けるために

ヒラギノフォントは、現在も進化を続けています。2020年にはヒラギノ角ゴ 簡体中文 Stdの全ウエイトがリリースされ、2021年にはこぶりなゴシックW9が追加。Webフォントやアプリ組込み用フォントとしても利用可能となり、あらゆるデバイスに美しい画面表示をもたらしています。その「読みやすさと美しさ」は幅広いユーザー層に愛され、電気自動車、AI通訳機、ヘルスケアアプリ、広告など、多岐にわたる採用事例がその普遍的な価値を証明しています。ヒラギノフォントは、これからも「百年後もスタンダードであるために」進化し続けます。

名前の由来

京都市北区の鴨川(賀茂川または加茂川)左岸にある地名、柊野(ひらぎの)に由来しています。名前の由来といっても、「柊野」にゆかりがあるわけではなく、ヒラギノフォントの開発時に京都中の地名を集めて、ヒラギノフォントのコンセプトである「クールでスタンダード、現代的」のイメージに合う名前として「ヒラギノ」が選ばれました。

ヒラギノフォントのあゆみ

書体リリース出来事
1993ヒラギノ明朝体
W3/W4/W5/W6/W7/W8
1994ヒラギノ角ゴシック体
W1/W6/W9
1995ヒラギノ角ゴシック体
W2/W3/W4/W5/W7/W8
1996ヒラギノ行書体
W8
ヒラギノ角ゴパッケージ用仮名
W2/W3/W4/W5/W6
1998ヒラギノ行書体
W4
游築五号仮名
W3/W5/W7
游築36ポ仮名
W3/W5/W7
1999ヒラギノ明朝体
W2
ヒラギノ明朝体横組用仮名
W3/W4/W5/W6
2000「ヒラギノフォント」アップルが採用
2001ヒラギノ丸ゴシック体
W4
2002ヒラギノ丸ゴシック体
W2/W6/W8
游築五号仮名
W2/W4/W6/W8
游築36ポ仮名
W2/W4/W6/W8
2003
2004ヒラギノ角ゴAD仮名
W1/W2/W3/W4/W5/W6/W7/W8/W9
日本の活字書体名作精選
2005「ヒラギノフォント」グッドデザイン賞を受賞
2006こぶりなゴシック
W1/W3/W6
2007
2008ヒラギノフォントの中国語版を開発/国産フォントで初めて中国政府認証を取得
2009ヒラギノ角ゴ 簡体中文
W3/W6
ヒラギノUD角ゴ
W4/W6
2010ヒラギノUD丸ゴ
W4/W6
ヒラギノUD明朝
W4/W6
「MORISAWA PASSPORT」にヒラギノフォントを搭載
ヒラギノフォント、高速道路標識の和文書体に採用
2011ヒラギノ角ゴ オールド
W6/W7/W8/W9
ヒラギノUD角ゴF
W3/W4/W5/W6
2012ヒラギノUD角ゴ
W3/W5
2013ヒラギノ丸ゴシック体
W3/W5
ヒラギノUD丸ゴ
W3/W5
2014ソフトバンク・テクノロジーとWebフォントの提供で業務提携
モリサワとWebフォントで協力関係を強化
2015ヒラギノ角ゴシック体
W0
2017ヒラギノ角ゴシック体 ProN
W1/W2/W4/W5
ヒラギノ角ゴ 繁体中文
W3/W6
2018Monotype社と海外販売における業務提携を開始
2019「合同会社おりぜ」と、フォント制作に関する業務提携契約を終結
2020ヒラギノ角ゴ 簡体中文 Std
W0/W1/W2/W3/W4/W5/W6
Webフォントサービス「REALTYPE」にヒラギノフォントの提供を開始
2021こぶりなゴシック
W9
2022ヒラギノ丸ゴ オールド
W4/W6/W8
ヒラギノ丸ゴシック体
W7
Morisawa Fontsにヒラギノフォントを搭載
2023フォントサービス「Adobe Fonts」にヒラギノフォントの提供を開始
中国・漢儀社と、ヒラギノフォントの販売における業務提携を開始
2024こぶりなゴシック
W0
韓国のフォントサービス「SandollCloud」にヒラギノフォントの提供を開始