こぶりなゴシック

こぶりなごしっく

Koburina Gothic

特徴

こぶりなゴシックは、写真植字や活版を用い、エディトリアルを中心に本格組版を続けてきた職人たちの生の声を汲み上げ、それらに幅広く応えうるデザインに昇華させた、贅沢で、欲張りで、徹底的に玄人好みの書体です。その苛酷なまでの要求は、「写植や活字で見慣れてきた、字面が小さめで素直なかたちを持ち、本文ベタ組みで基本的に美しく、詰め組みでは表情を美しく変化させていき、縦組み横組みを問わずやわらかな印象をそこなわない書体」という激烈なるミッション。この困難を窮めたテーマを、SCREEN、宇游工房、凸版印刷のコラボレーションにより超克したのがこの書体です。
漢字はヒラギノ角ゴをやや小さめに改刻、仮名は築地活版製造所の名作明朝を飜刻した「游築五号仮名」の骨格をゴシック化し、素直なエレメントから無用な鋭角を省きつつ丸味を持たせ、やわらかな風合いを感じさせるデザインに仕上げています。
本文やキャプション、タイトル、見出しなどさまざまな用途に活用できる、W0、W1、W3、W6、W9の5ウエイトを用意しました。

字形

タイプテスター

W0
人と調和する文字のバランス
W1
人と調和する文字のバランス
W3
人と調和する文字のバランス
W6
人と調和する文字のバランス
W9
人と調和する文字のバランス

組み合わせテスター

こぶりなゴシック StdN W6 / 40pt / 133%
こぶりなゴシック StdN W3 / 16pt / 175%
あの在来の乳白ガラスの浅いシェードを附けて
球をムキ出しに見せて置く方が、自然で、素朴な気持もする。夕方、汽車の窓などから田舎の景色を眺めている時、茅葺きの百姓家の障子の蔭に、今では時代おくれのしたあの浅いシェードを附けた電球がぽつんと燈っているのを見ると、風流にさえ思えるのである。しかし煽風器などというものになると、あの音響といい形態といい、未だに日本座敷とは調和しにくい。それも普通の家庭なら、イヤなら使わないでも済むが、夏向き、客商売の家などでは、主人の趣味にばかり媚びる訳に行かない。私の友人の偕楽園主人は随分普請に凝る方であるが、煽風器を嫌って久しい間客間に取り附けずにいたところ、毎年夏になると客から苦情が出るために、結局我を折って使うようになってしまった。かくいう私なぞも、先年身分不相応な大金を投じて家を建てた時、それに似たような経験を持っているが、細かい建具や器具の末まで気にし出したら、種々な困難に行きあたる。たとえば障子一枚にしても、趣味から言えばガラスを篏めたくないけれども、そうかといって、徹底的に紙ばかりを使おうとすれば、採光や戸締まり等の点で差支えが起る。よんどころなく内側を紙貼りにして、外側をガラス張りにする。